MYEN (Mongolian Youth Environmental Network)

     

ミャグマラジャフ オユンチメグ
(未来研究所代表,TUNZA-NEAYENモンゴル代表)

青年は、私達が今日直面している環境への挑戦に大きく貢献し、 より輝かしく安全な世界の未来のために重要な影響を与えることができます。 地球を救うためのあらゆる対策において、 青年を地球の責任ある管理者の一員とすることに意義があるのです。 青年達はよりよい世界をつくるための重要な原動力です。 そのため、青年達は環境保護問題において考慮され得る 社会のパートナーであるべきです。 青年は自国だけではなく、地域や世界の持続可能な発展に貢献できます。

モンゴルの現状と環境問題

モンゴル特有の脆弱性は、世界において最も気候風土の多様な 内陸地域に位置し、厳しい気候条件に耐え、 少ない人口がその広大な土地に暮らしていることにあります(訳注1)。 モンゴル人の伝統的な暮らしや生活スタイルは環境と親密に関連してきた一方、 中央計画経済から市場志向型の経済への移行、地方から都会への急激な 人口移動を如実に表す人口統計上の変化、注目すべきいくつかの気候変化、 グローバリゼーションによってもたらされた危機、というような変化が、 1990年代からモンゴルの脆弱性を非常に増加させてきました。  近年モンゴルは、厳しい気候、関連する自然物理的条件、限られた水資源、 脆弱な植生と永久凍土の減少、長期の気候変動、土地の荒廃、森林伐採、 砂漠化、水資源の枯渇、水質汚染、固形有害廃棄物、 そして他の要因のために深刻な環境問題に直面しています。 モンゴルの「環境レポート」は、5つの重要な環境問題として、 (1)土地の荒廃、(2)砂漠化、(3)森林伐採、(4)生物多様性への損害、 (5)大気汚染をあげています。

青年の役割

若者達の積極的な参加は環境問題を解決する上でとても大切です。 多くの青年の団体はモンゴルの環境分野で活動を行っています。 昨年のTUNZA-NEAYENプログラムの枠組みにおいて、 TUNZAモンゴル青年環境ネットワーク (TUNZA Mongolian Youth Environmental Network: TUNZA-MYEN)が 設立されました。このネットワークの使命は、MDG7(訳注2)遂行のため一致団結し、 国レベルの対応でモンゴル人青年の役割を拡大させることです。 その際、環境、青年、ボランティアに関係する14の組織の、 環境と持続可能な発展に対するモンゴルの青年の努力を支援します。
このネットワークでは、主に5つの活動を既に行っています。 その5つの活動とは、

  1. 環境教育と普及啓発
  2. キャンペーン
  3. キャパシティビルディング
  4. 支援運動
  5. パートナーシップ

です。 私達は、キャンペーンを開催したり、祝日を祝ったり、オンラインで円卓会議を行ったり、 政府・民間・他セクターとの公開協議をすることによって、普及啓蒙活動を強化し、 協力・調整・政策開発に貢献する積極的な情報の流布と環境教育を行うことで、 環境保護と持続可能な発展に向けて取り組んでいます。そして、技術の利用、 体験的学習と自然資源管理における優れた実践例の知識の共有、参加型学習と行動、プロジェクト開発、そして資源の流通によって、キャパシティビルディングプログラムを提供しています。 昨年、TUNZA-MYENのメンバーやボランティアは環境保護を目的とした多くの活動をしてきました。私達青年は、モンゴルの首都ウランバートルに位置するボッドカーン山で、植林を目的とした"百万本の木"計画の実行に関わり、およそ300本の木や潅木を植えました。TUNZAのモンゴル学生ボランティアは"学生の森"をつくるために通学路に植林をするキャンペーンを始めました。このキャンペーンには6大学300人以上が参加し、500本植林しました。環境意識向上のため、ボーイスカウトやガールスカウトの子供達によって定期的なフィールドワークが昨年の夏休みに行われ、5つの州から全部で5000名を越える参加者が集まりました。 青年ボランティアは対象地域の主婦のためにトレーニングを行い、固形廃棄物マネジメントプロジェクトの実施に積極的に引き込みました。さらに、発達教育や広告・スティックペーパーカレンダーのような情報媒体を用いて対象の人々に宣伝しました。私達の積極的なメンバーでもある若い仏教僧は、仏の教えや宗教の習慣を駆使し、環境保護に対する意識向上や環境教育のための新しいアプローチを進めました。彼らは大衆向けの宗教儀式や行事の際に,環境保護のメッセージを送り続けています。彼らはトゥジン松林という名の地域の森林再生事業において、主導的な役割を果たしています。 私達の青年グループは環境保護オンラインボランティアクラブを立ち上げ、環境に関する最新の情報の提供、アイディアや経験の共有、そして定期的なチャットによるディスカッション(テーマとしては、例えば大気汚染、固形廃棄物、政府など多様な利害関係者を巻き込むことについてなどの重要な問題がある)を行っています。私達は多くの活動を成功に収めてきましたが、やるべきことはまだたくさんあります。

砂漠化との戦い

ご存知のとおり、砂漠化はモンゴルの主要な問題の1つであり、砂埃や砂嵐の増大によって、ゴビの土壌の豊かな地層やステップ地帯は浸食され、社会経済へのマイナスの影響も増加しています。北東アジア全体としてもまたこのような悪影響に悩まされています。例えば、2002年春のDSS(大規模な砂嵐)の衛星写真は、北東アジアで生じたDSSの約50%がモンゴルで生じていることを示しています。モンゴル政府は、モンゴルのゴビ砂漠とステップ地帯の間全てを覆う"みどりの壁"を作ること、そして気候変動によって引き起こされる保安林の現在の減少傾向や砂漠化、砂の移動、砂塵、砂嵐を減少させることを目的とし、 "グリーンベルト"という国家事業に着手しました。この事業は、砂漠化と砂の移動の大幅な緩和、牧草の生産性の改善、地域、国家、国際的なDSSの悪影響の緩和に重要な影響を与えるので、TUNZA MYENのメンバーはこの事業をサポートしています。TUNZA MYENは、モンゴルの国家事業"グリーンベルト"の実現のため、地域青年エコツアーを始めています。そして、NEAYENメンバーの参加が、モンゴルだけでなく、北東アジア地域における重要な貢献となることを願っています。

私達は協力して変革を起こすことができるのです。願いを現実にするために、ともに頑張ろうではありませんか。

訳注

1 モンゴル国
国土面積は日本の4.2倍ながら、人口は250万人で、そのうち81万人が首都のウランバートル (Ulaanbaatar) に住む。一人当たり国民総生産 (GDP) は475ドル(データは全て2003年。参考:環日本海経済研究所ホームページ)。

2 MDG7 (United Nations Millennium Development Goals Number 7)
2000年に開催された国連ミレニアムサミットで採択された「国連ミレニアム開発目標」の第7項目「環境面における持続可能性の確保」のこと。

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